最近は睡眠相がぐちゃぐちゃになってしまって、一睡もできずに朝を迎え続けたり、かと思えば週末は二十四時間を超えて眠ったりしている。まだ五月なのにもう夜明けが早くなった。最近は夜明けばかり見ている。
私の部屋は小さいので、大きな窓をふさぐようにして机が置いてあり、デスクチェア一つ分の距離をとったすぐ後ろにベッドが横たえてある。だからベッドに転がったまま、窓を見ることができるのだ。
その半ばふさがれた窓にはカーテンが二種類かかっている。ミラーレースカーテンを一枚挟んで、それからさらに遮光カーテン。最近では遮光カーテンをわざと10センチほど開けてから眠るので、夜明けが降りてくると部屋の中に光が差してくる。
夜明けの光は水色の薄明り。まだ太陽が顔を出し切らず、空が白んでいるだけだからだ。ミラーレースカーテンの白いくもりに包まれているので、いっそう柔らかく濁って見える。カーテンからこぼれてさす光は弱々しいので、部屋はほとんど湿ったみたいに暗いまま、白くくもった水色の一筋分だけが明るくなる。
最近では四時を過ぎるころにはもうその光が訪れる。眠れない私はこのままベッドで窓をぼんやり眺めているうちにいつの間にか夏が来るのを想像する。夜明けの光はまぶしくなくて心地よいので、ずっとこうしていられる気がする。もちろん気がするだけ。ベッドに横たわっているだけでは暮らしていかれないから。
私はあきらめてベッドから起き上がる。今晩も眠れなかった、といううんざりした悲しみをぬいぐるみと一緒にタオルケットにくるんで、お湯を沸かしてインスタントコーヒーを入れる。日中起きていられるようにすごく濃いやつだ。
最後に、今日は寝酒にぴったりのお酒の一つを紹介する。
LHERAUD Viewx Pineou PINEAU DES CHARENTES
(ピノー・デ・シャラント ヴュー・ピノー)

これは手軽に買えるというわけではないけれど機会があればぜひ飲んでみてほしいお酒の一つで、寝る前のホットミルクみたいにベッドの手前で飲みたくなるお酒だ。甘いから寝酒には本当は向いていないと思うけれど、でも本当にぴったりなのだ。
ワイン専門店で購入したけれど、厳密にいえばワインではないらしい。ワイン樽が熟成しきる前にコニャックを混ぜて作るそうで、タイプとしては酒精強化ワインといわれるそう。
香りも、ワインというよりはラム酒みたい。味わいとしては甘口だそう。お酒自体とろりと琥珀色をしているのだが、ワイングラスよりロックグラスで飲むほうがしっくりきそうな見た目と味がする。その「とろり」にふさわしく、はちみつやドライイチジクを思わせるような濃厚な甘さ。魔法使いが差し出してくれる夢の薬はこんな味ではないかしら、と思うような官能的な味であるものの、同時に濃くアルコールの味がして、それがとても複雑でおいしい。
ちなみに購入時にはアペリティフないしデザートワインとして勧めていただいたのだけれど、一日の終わり、布団に沈み込んで夢を見るために飲むのが一番のお酒に思う。




